医療・介護のネットワークで支えます
ここでは、在宅ケアの体制について紹介します。在宅ケアにおいては、地域の様々な職種が連携し「在宅ケアチーム」として患者さんやご家族をサポートします。自宅で、住み慣れた地域で過ごしたいと願う患者さんやご家族の希望を叶えるためには、医療をはじめ様々なサービスが切れ目なく、総合的に提供される必要があります。

■在宅医師(診療所医師)
在宅ケアを開始するためには、訪問診療をする医師を決める必要があります。医師を選択するうえで重要なのが、「24時間365日往診できる体制を整えているかどうか」です。体調の急変に迅速に対応する体制があることで、患者さんやご家族は安心して在宅療養を継続できます。主治医となる医師だけでなく、緊急時や主治医不在時に連携する体制や、歯科、皮膚科、泌尿器科などの専門科との連携があるとよいでしょう。
また、痛みをはじめとした様々な苦痛を取り除く疼痛コントロールは、患者さんが自分らしく生きるために最も大切なこととでもあるため、麻薬施用者の届出をしているかどうかもポイントです。在宅医師は、在宅ケアチームの司令塔として、在宅ケア全体のコーディネーションを行い、病状の変化に対しての緊急時の対応及び再入院の判断なども役割としています。
ここ数年間で在宅医療を専門とする診療所も現れてきました。また、平成18年4月からは、24時間体制で往診や訪問看護を担う「在宅療養支援診療所」が新設され、愛知県内ではおよそ450の診療所が届出をしています。
■在宅療養支援診療所
在宅医療における中心的な役割を果たす診療所。地域の医療機関などとネットワークを組み、在宅の患者の求めに応じて24時間対応する。
●在宅療養支援診療所リスト 名古屋市内
●在宅療養支援診療所リスト 愛知県内(名古屋市を除く)
■訪問看護師
緊急時の第一次の連絡先にもなりますから、ご自宅の近くで24時間の対応をしてくれる訪問看護ステーションをお勧めします。訪問看護の内容は、病状観察、症状マネジメント、身体的ケア、患者や家族の心理面へのケア、家族への介護指導などです。医療面だけでなく生活支援も含めた福祉面の知識と調整能力を備えた専門職として、訪問看護師は在宅ケアの中心的存在になります。
■薬剤師
医師からの処方箋にもとづき薬剤の調剤を行います。薬局によっては自宅まで薬剤を届けてくれたり、適切な飲み方の指導をしてくれたりします。モルヒネなどによる副作用の対策に専門的な立場でアドバイスし、医師への提案も行います。
■ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)
介護保険の対象者(65歳以上の方と40歳以上の方でがん末期の方)には、その方に応じた介護サービス計画(ケアプラン)を立て、状況の変化に応じてプランの調整をします。ケアマネジャーは医師・看護師などの医療職と連携をはかりながら、介護サポートも加えたより良いケアプラン作りを行います。
■病院(後方支援病院)
患者さんやご家族が安心して在宅ケアを継続できるよう、在宅医師と連携をし、緊急時の入院や検査に対応します。
「急な状態の変化が起きたときにはどうすればよいのか」「痛みの治療が在宅でできるのか」など、在宅ケアへの様々な不安があると思いますが、在宅医師や看護師、薬剤師など様々な専門スタッフが不安な思いを受け止め、安心して在宅療養が続けられるようサポートします。緊急時には24時間いつでも電話連絡ができ、必要であれば訪問してくれる医師や看護師の体制も整ってきました。
また、病院も後方支援として、入院が必要になった場合は、在宅医師と連携をとって受け入れる体制をとるなど、地域全体でがん患者さんの在宅ケアを支える体制が整備されてきています。